村上忠順翁
顕彰会
当初は、村上忠順の残した著書を
簗瀬一雄先生(故人)に解説していただきながら、
平成十七年度からは簗瀬先生の後任として、
元愛知教育大学教授の新行紀一先生(故人)、
平成二十六年度からは、
名古屋大学院教授(現名誉教授)塩村耕先生にお願いし、
「四方樹大学(よもぎだいがく)」と称し、
年四回忠順の残した公用日記「座右記」を通して、
忠順の日常生活について学んできました。
一方で、忠順の業績を
もっと多くの人に知っていただくとともに、
顕彰会に気軽に参加していただくことを目的として
秋には歴史探訪、女性を中心にした江戸文化を
楽しむ「女性部研修会」および、
忠順が愛した短歌に親しむための
「忠順大賞」の募集を開催し、今日まで継続しています。
村上忠順顕彰会の内容
親しまれる顕彰会として
役員構成は前林中学校区の自治区長等が中心となり、事務局とともに活動中です。
四方樹大学の「座右記」も平成26年度から新行先生から名古屋大学名誉教授の塩村耕先生(江戸文学)にバトンタッチをして継続中です。
現在の運営状況
現在の会員は前林中学校区を中心に約200名、地域の企業の皆さんにも賛助会員として参加していただくとともに支援をいただいています。
総会・忠順大賞表彰式
顕彰会の総会は毎年4月または5月に前林交流館で実施します。会員および役員の皆さんを中心とし、多くの来賓にもご参加いただき、総会に合わせ記念講演なども開催いたします。
同時に、募集した忠順大賞の中から選出された優勝作品に対する表彰式を実施します。
開催日時等は新着情報でお知らせします。
役員会の開催
年2回関係自治区区長をはじめとする役員会を開催し、顕彰会活動についてのご意見・ご提案をいただいております。2回目の役員会は、村上忠順翁が亡くなった11月23日を金平糖忌(忠順翁が好んだとされる金平糖にちなんで)と称し、忠順翁の墓参と、豊田市の文化財となっている忠順翁の書庫千巻舎(ちまきのや)の見学後会議を開催しております。「忠順大賞」「みんなで楽しむ短歌づくり」もこの会の中で提案された取り組みです。
村上忠順翁顕彰会の事業紹介
忠順大賞
村上忠順は短歌づくりを生涯の友として、約50,000首以上の短歌を詠みました。これにちなんで多くの人たちに短歌づくりを楽しんでもらおうと平成19年年度から応募の開始をしました。毎年地元の小・中学生、一般の方たちから約1,500首の応募をいただいています。毎回応募作品の中から、豊田市長賞、豊田市議会議長賞、豊田市教育委員会賞、中日新聞社賞、会長賞(金、銀、銅)優秀賞などを選出し、表彰しています。
応募の資格、参加費はありません。
応募方法は、豊田市前林交流館に応募箱の設置、または豊田市高岡町37番地 高岡町区民会館内顕彰会事務局宛に持参又ははがき等で応募してください。
選者は久米翠雲先生です。
令和5年度(第18回)のおもな作品 (豊田市長賞)
【小学生の部】
いろいろなサイズのくつがせいぞろい
楽しい年が始まる予感
おじ・おば・いとこたちが帰省して大にぎわい。それをいろいろなサイズのくつと表現したのが上手い。
【中学・一般の部】
友達と遊びに行く度減る貯金
それでも増えてく思い出貯金
お友達との遊びには、自分の貯金を使う。しかし、友達との思い出は、何物にも代えがたい。下の句が素晴らしい。
四方樹(よもぎ)大学
「四方樹」とは、村上忠順翁の雅号のひとつです。彼が著した書物などを大学の先生に解説していただく市民参加の講座です。現在は忠順翁の準公用日記『座右記』の解説を名古屋大学名誉教授の塩村耕先生にしていただいています。
開催日は、毎年8月から11月までの計4回、第1金曜日午前10時から12時まで前林交流館で行い、参加は自由、参加費は無料です。お気軽にご参加ください。
令和5年度の開催風景
女性部研修会
村上忠順翁顕彰会の事業に多くの皆様に気軽に参加していただき、忠順翁の業績を知ってもらいだいと願い、女性の皆様を対象に村上忠順翁が活躍した時代、江戸文化、江戸の食文化を体験する日帰りの旅を実施しております。
参加人員は約40名です。
令和5年度は静岡県掛川市の掛川城、大日本報徳社、掛川花鳥園を訪れました。
実施年度 | 訪問都市 | テーマ | 訪問した施設 |
---|---|---|---|
平成18年 | 名古屋市 | 忠順愛好の金平糖を訪ねて | 明道町金平糖工場・産業技術記念館・ノリタケの森・徳川美術館 |
平成19年 | 刈谷市・半田市・常滑市 | 村上文庫と江戸の食文化 | 中部国際空港・酢の里博物館・亀城公園・刈谷市中央図書館 |
平成20年 | 岡崎市・蒲郡市・西尾市 | 三河木綿と深見家の世界 | 蒲郡手織り場・糟谷邸・深見家 |
平成21年 | 岡崎市 | 江戸食文化・岡崎の旅 | 岡崎城・八丁味噌工場・備前屋・奥殿陣屋 |
平成22年 | 西尾市・安城市 | 江戸食文化に触れる旅 | 西尾市岩瀬文庫・製茶工場・丈山苑 |
平成23年 | 碧南市・安城市 | 江戸の粋を求めて | 哲学たんけん村「無我苑」藤井達吉現代美術館・岡崎市酒人神社 ・神杉酒造 |
平成24年 | 湖西市・浜松市 | すべては、ここから始まった | 豊田佐吉記念館・中村家・うなぎパイ工場 |
平成25年 | 美濃加茂市・関市 | うだつの街を巡り和紙を愛で「美濃春秋」を味わい触れる旅 | うだつの町並み・刃物会館 |
平成26年 | 犬山市 | 犬山城下町散策の旅 | 犬山城下町・どんでん館・城下町散策 |
平成27年 | 中津川市・恵那市 | 江戸食文化と女城主岩村の旅 | ちこり村・岩村歴史資料館・岩村城 |
平成28年 | 名古屋市・豊明市 | 熱田・有松・阿野巡る五感の旅 | 豊田産業技術記念館・ノリタケの森・熱田神宮・鳴海絞会館 ・桶狭間古戦場・高徳院 |
平成29年 | 浜松市・新城市 | 禅寺体験 | 大本山方広寺・気賀の関所・龍潭寺・鳳来寺 |
平成30年 | 大垣市 | 水の都 大垣の旅 | 「奥の細道」むすびの地記念館・大垣城外堀巡り |
令和5年 | 掛川市 | 掛川城の旅 | 掛川城・大日本報徳社・掛川花鳥園 |
歴史探訪
毎年、村上忠順翁が訪れた場所や交流した人たちの跡を訪ね、忠順翁の味わった雰囲気などを検証する日帰りの旅行を実施しています。
参加者は約40名です。
令和5年度は、忠順翁と親交の深かった愛知県豊橋市の羽田野敬雄および羽田野が残した羽田八幡宮文庫について豊橋市中央図書館の学芸員からの説明を、そして参勤交代のお供で江戸への往復時に宿泊した二川宿も訪れました。
実施年度 | 訪問都市 | テーマ | 訪問した施設 |
---|---|---|---|
平成元年 | 豊川・豊橋・新城・浜松 | 三山日記の足跡 | 「三山日記」のルート |
平成2年 | 刈谷市・常滑市・半田市 | 村上文庫見学のしおり | "刈谷市中央図書館「村上文庫」・杉本美術館・陶芸研究所 |
平成3年 | 足助・稲武・根羽村・旭 | 忠順の足跡と塩のみち | 塩付街道・古橋懐古館 |
平成4年 | 岐阜・名古屋 | 信長オープンセット・忠順厚田紀行 | 信長オープンセット・熱田紀行 |
平成5年 | 京都 | 太田垣連月尼・遊女桜木を偲び秋の京都へ | 輪違屋・神光院・三千院 |
平成6年 | 東吉野村 | 村上忠明所縁の地、天誅組を偲び大和吉野村鷺家・小川地区へ | 天誅組松本奎堂・万吉戦死の地 |
平成7年 | 豊橋・静岡 | 東征日記の足跡、短歌とともに二川本陣、駿府城跡、登呂遺跡へ | 二川宿・東征日記の足跡・登呂遺跡・芹沢美術館・駿府城 |
平成8年 | 松阪市 | 国学に学ぶ宣長と忠順の心 | 松阪城跡・本居宣長記念館 |
平成9年 | 豊橋市・田原町 | 羽田八幡宮文庫と崋山の故郷へ | 豊橋市中央図書館・羽田八幡宮・田原町博物館 |
平成10年 | 京都市 | 晩秋の古都、太田垣連月尼墓参と神光院そして詩仙堂へ | 神光院・詩仙堂 |
平成11年 | 養老町 | 養老日記の足跡と関ヶ原 | 養老公園・関ヶ原歴史民俗資料館・南宮大社 |
平成12年 | 三重県山室町 | 山室山詣日記と松阪の史跡 | 御在所・山室山神社跡 |
平成13年 | 掛川市 | 掛川の国学者石川依平翁を訪ねる | 掛川中央図書館・石川依平氏墓参・日坂宿 |
平成14年 | 中津川市・南木曾町 | 藤村の「夜明け前」に学ぶ忠順の生涯とその時代 | 馬籠宿・妻籠宿・妻籠城跡 |
平成15年 | 五條市 | そして五條から維新が始まった天誅組の変140年 | 五條文化博物館・代官所跡など・若狭碑 |
平成16年 | 稲武 | 稲武の旅とトヨタ鞍ヶ池記念館 | 古橋考古館・トヨタ鞍ヶ池記念館 |
平成17年 | 名古屋市 | 名古屋ぶらり厚田紀行 | 八事興正寺・文化の道二葉館・なばなの里 |
平成18年 | 豊橋市・湖西市 | 忠順湖北の旅 | 二川宿・本興寺・新居関所・紀伊国屋資料館 |
平成19年 | 土山町・亀山市 | 東海道五十三次鈴鹿越えの旅 | 土山伝承館・水口城歴史民俗資料館・関宿 |
平成20年 | 刈谷市 | 刈谷下町散策と門人会 | 豊田市郷土資料館企画展・刈谷市中央図書館 |
平成21年 | 島田市 | 「川留め文化」を訪ねる旅 | 島田市博物館・蓬莱橋 |
平成22年 | 豊川市・新城市 | 「三山日記」の旅・その1忠順秋葉街道を行く | 豊川稲荷・鳳来寺 |
平成23年 | 豊橋市・湖西市・浜松市 | 「三山日記」の旅・その2忠順秋葉社の帰路 | 二川宿・豊田佐吉記念館・秋葉神社 |
平成24年 | 松阪市 | 忠順心の原風景・松阪 | 松阪城跡・本居宣長記念館・松坂商人の館 |
平成25年 | 桑名市・養老町 | 「養老日記草稿」と養老公園 | 六華苑・木曽三川公園・養老の滝 |
平成26年 | 田原市 | 維新への騒めき | 田原市郷土資料館・田原市博物館・田原めっくんはうす |
平成27年 | 刈谷市 | 刈谷八景の今 | 亀城公園・刈谷市中央図書館・市原神社 |
平成28年 | 名古屋市・津島市 | 佐屋街道を行く | 宮の渡し公園・津島神社・佐屋街道・立田ふれあいの里 |
平成29年 | 周智郡森町・浜松市 | 井伊直虎ゆかりの龍潭寺と小国神社の旅 | 小国神社・蓮華寺・浜松城・龍潭寺 |
平成30年 | 刈谷市・安城市 | 村上文庫の恩人を訪ねて | 刈谷市郷土資料館・丈山苑 |
令和4年 | 刈谷市・碧南市 | 忠順翁ゆかりの地を訪ねて | 刈谷市村上文庫、刈谷市歴史博物館、十念寺 |
令和5年 | 豊橋市 | 忠順翁ゆかりの地を訪ねて | 豊橋市中央図書館・羽田八幡宮・二川宿 |
みんなで楽しむ短歌づくり
村上忠順翁が生涯の友とした短歌づくりを体験し、楽しんでいただこうと毎年1回開催しています。
参加者は初心者が中心で、 講師は忠順大賞の選者久米翠雲先生のもと前林交流館で実施します。
参加は自由で参加費は無料です。多くの皆さんの参加と、「忠順大賞」への応募をしていただきたいと思います。
令和5年度の開催風景
村上忠順叢書
叢書は毎年開催される「四方樹大学」の内容を編集して発行しています。叢書は会員および関連公共施設に配布しています。内容は忠順翁の著書『座右記』の解説であり、名古屋大学名誉教授塩村耕先生の監修により発行しております。希望者には有償で頒布しております。過去の在庫もあります。
希望者には1冊1,000円で頒布しています。
会報
毎年総会に合わせ会報を発行しております。女性部研修会、歴史探訪参加者の感想、村上忠順翁研究者でもある國學院大學部兼任講師の中澤伸弘先生の研究論文、忠順大賞の優秀作品などを掲載しております。